ほくろでお困りの方へ
ほくろには魅力的なものもあり、気にならないのであれば、無理に取り除く必要はありません。しかし、数が多かったり、位置や大きさなどにより見た目が気になる場合や、衣服などに引っ掛かって傷ついたり、痛んだりする場合には、ほくろを取り除く治療が可能です。ほくろの形や大きさ、部位によって最適な治療法が異なります。
また、ほくろだと思って受診したら、実は別の腫瘍である場合もあります。
当院では、まずダーモスコープという機器を用いて腫瘍の構造を詳細に観察します。
さらに必要に応じて、切除した腫瘍を病理組織学的検査に提出して、良性か悪性かを含めて診断を確認しています。
ほくろってそもそも何?
母斑細胞が増殖してできた良性のできもので、医学的には色素性母斑または母斑細胞母斑と呼ばれます。色はほくろのある深さによって異なり、茶色から褐色、黒色まで様々です。
また、平坦なものから隆起したものまで形状も多岐にわたります。
生まれつきある場合もあれば、成長過程でできる場合もありますが、成人してからできるほくろが必ずしも悪性というわけではありません。
一般の方にとって、良性のほくろと悪性のほくろを見分けるのは困難です。
心配なほくろがある場合は自己判断せず、ぜひ当院へご相談ください。
皮膚腫瘍の検査
ダーモスコピー検査
良性の母斑細胞母斑(ほくろ)と悪性の悪性黒色腫(メラノーマ)、基底細胞がんなどを鑑別する際に必要な検査です。
この検査では、ダーモスコープという皮膚表面からの乱反射を除去して患部を拡大観察することを可能にした機器を使用します。それにより、肉眼では見ることができない皮膚浅層まで詳細な観察が可能です。
まず、痛みがなく短時間でできるダーモスコピー検査を行い、必要に応じて腫瘍を切除し、病理組織学的検査に提出します。
病理組織学的検査
切除した腫瘍の細胞や構造を、顕微鏡を用いて細かく観察する検査です。
良性か悪性か、腫瘍の種類などを診断します。結果が出るまで数週間かかります。
当院のほくろ除去について
ほくろ除去を希望される多くの方が、ほくろを何もなかったようにきれいに取り除きたいと考えているかと思います。
しかし実際には、どの治療法でも、完全に跡を残さず取り除くことは現在の医学では困難です。
しかし、ほくろ自体よりもほくろ除去の傷跡が目立つようでは治療の意味がありませんので、当院では傷跡ができるだけ目立たなくなるような治療を心がけています。
治療に際し、ほくろという腫瘍の性質について、また治療法についてしっかりとご説明し、安心して治療をお受けいただけるように努めています。
ご不明点やご心配などは、些細なことでもどうぞお気軽にご相談ください。
外科手術
大きく盛り上がりのあるほくろや、手足や体幹にあるほくろ、悪性が疑われる場合などは外科手術による除去を行います。
悪性かどうかなど腫瘍の性質を調べるのが目的の場合は、レーザー治療は推奨されませんので、手術での除去をお勧めします。
局所麻酔によって行う日帰り手術ですが、手術前に血液検査が必要です。
局所麻酔後、皮膚を切開してほくろを切除し、皮膚を縫合します。基本的には30分程度で手術は終了します。
より高度な技術が必要と判断した場合、例えば顔の目立つ部分の切除などには、形成外科など専門性の高い医療機関をご紹介します。
CO2レーザーによる除去(Newレザック)
CO2(炭酸ガス)レーザーは、ほくろを蒸散させて除去するレーザーです。
この治療法は多くの場合、隆起していない比較的小さなほくろに適しています。
ある程度の大きさ以上のほくろをCO2レーザーで除去すると、かえって凹みが目立つ可能性がありますので、場合によっては外科手術の方が適していることがあります。
CO2レーザーはピンポイントで狙いを定めて正確に照射でき、メスを使用した手術と比較すると出血が少なく、より短時間でほくろの除去が可能です。
注意事項
通院回数
施術後1~2週間後に必ず傷の状態を確認します。
縫合した方は抜糸を行います。
上皮化(傷が治り皮膚が再生すること)するまで、傷の処置を続けてください。
ダウンタイム
傷が上皮化するまで約2週間、治療部位を被覆材や絆創膏で保護する必要があります。
傷が治った後も、赤みや色素沈着が数ヶ月~半年ほど残りますが、時間とともに目立たなくなります。
また、深い部分に腫瘍細胞が存在するほくろの場合は、除去による傷が深くなるため、ダウンタイムの経過後も色や質感の違いが残ることがあります。
メイク
治療部位以外のお化粧やクレンジング・洗顔は施術当日から可能です。
治療部位のお化粧は傷が治るまではできません。
治療部位の皮膚の上皮化が確認できれば、お化粧は可能となります。
副作用・リスク
軽度のへこみ、赤み、瘢痕(盛り上がり)、色素沈着などが残る可能性があります。
特に、傷の処置を十分に行わなかったり、自己判断で中断したりすると、そのリスクは高まります。
洗顔、シャワー、入浴
施術当日は、飲酒や入浴を控えていただく必要がありますが、翌日からは可能です。
洗顔の際は、患部をこすらないよう、優しく洗ってください。