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酒さ(赤ら顔)

酒さ(赤ら顔)とは

酒さ(赤ら顔)とは鼻や頬などが赤みを帯びる症状を赤ら顔と言います。
酒さは赤ら顔に含まれますが、赤みに加えてほてり、ヒリヒリ感や、ニキビのような発疹などの症状も現れることがある皮膚疾患です。
中高年の方に多く、女性に比較的多い傾向があります。また、敏感肌や脂性肌の方に発症しやすいとされています。
明らかな原因は分かっていないため、完全に治す治療は確立されていませんが、悪化要因を取り除き、複数の治療法を組み合わせることで、症状の改善を目指すことが可能です。

酒さの悪化要因

紫外線、アルコール・カフェイン・香辛料などの刺激物、寒暖差、摩擦などの物理的刺激など

酒さ(赤ら顔)の症状

酒さは比較的女性に多い症状ですが、
鼻瘤型は、男性に多く見られます。
※下記のような症状は、同時に起きたり
順番に現れたりすることがあります。

紅斑毛細血管拡張型

顔の赤み、毛細血管の拡張、
ほてりが生じます。

丘疹膿疱型

丘疹や膿疱などニキビのようなブツブツができます。
ニキビと異なり、毛穴の詰まりは見られません。

瘤腫型(鼻瘤)

発疹が大きくなり、鼻がボコボコと瘤状に隆起します。

眼型

まぶたや結膜に、充血や炎症が見られます。

酒さ(赤ら顔)の原因

酒さ(赤ら顔)の原因
明確な原因は解明されていませんが、過剰な免疫反応が皮膚の炎症を引き起こし、血流の増加や血管の拡張につながる可能性が指摘されています。
また、肥満細胞が神経を刺激することで末梢血管が拡張し、血流が増えることも要因の一つと考えられています。
その他、皮膚常在菌のバランスが崩れること、毛包虫(ニキビダニ)の数が増加すること、遺伝などの影響が考えられます。
紫外線、寒暖差、アルコール、カフェイン、刺激物などは悪化要因と考えられており、悪化要因を避けながら症状をコントロールすることが必要です。

酒さ(赤ら顔)に似た疾患は?

似た疾患としては、酒さ様皮膚炎および
脂漏性皮膚炎が挙げられます。

酒さ様皮膚炎

ステロイド誘発性皮膚炎とも呼ばれる酒さ様皮膚炎は、ステロイドを長期間にわたり外用したときに起こる症状で、酒さと似た赤み、赤い丘疹、膿疱などの症状が現れます。
口やあごの周りに発症した場合は、口囲皮膚炎と呼ばれることもあります。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、酒さと同様に皮膚が赤みを帯びる皮膚疾患です。その発症には、皮膚に常在するカビの一種であるマラセチアが関与していると考えられています。
酒さは毛細血管の拡張やニキビのようなブツブツが生じますが、脂漏性皮膚炎ではそれらは見られず、皮膚の赤みやガサガサといった症状が中心です。
また、酒さは顔の中央(頬、額、顎)に症状が現れる傾向がありますが、脂漏性皮膚炎は眉や眉間、鼻の脇などに発症しやすいのが特徴です。

酒さ(赤ら顔)の治療

治療は症状の緩和または軽減を目的としており、
長期にわたる症状のコントロールが求められます。
保険診療の外用薬や内服薬、必要に応じて保険外の診療を組み合わせた治療を行います。

保険診療

外用薬(塗り薬)

メトロニダゾール外用剤

多くの国で酒さの標準治療薬です。日本でも2022年5月から保険適用となりました。
主に酒さのブツブツに対して使用します。

内服薬(飲み薬)

抗生物質

ロキシスロマイシンやビブラマイシン、ミノマイシンなどの抗生物質が使用されます。
抗菌作用だけではなく炎症を抑える効果があり、特に膿疱や丘疹を伴う酒さに有効です。

漢方薬

赤みやほてりに効果のある漢方薬を使用します。
抗生物質の内服で症状が改善してきたら、抗生物質の投与期間をなるべく短縮するため、漢方薬に切り替えて症状をコントロールすることがあります。また、症状が赤みとほてりが中心の場合にはそのほかの治療の有効性が乏しい場合があるので漢方薬を使用することも多いです。

保険外の診療

酒さには、保険適用外の治療もあります。
保険診療で改善が見られない場合や、治療で改善した後も残っている赤み(血管拡張)をさらに改善したい場合など、自費診療での治療も行っています。

イソトレチノイン内服

重度のニキビ治療薬として知られるイソトレチノインは酒さにも効果があると言われています。
外用薬や抗生物質の内服などで酒さの症状が改善しない場合は検討の余地があると言えます。
ただし、治療中は定期的に血液検査で肝機能や中性脂肪値などをチェックする必要があります。
また、妊娠中の方や妊娠の可能性のある方はお使いいただけません。

フォトフェイシャル ステラM22

フォトフェイシャル ステラM22IPLは、Intense Pulsed Light(インテンスパルスライト)と呼ばれる幅広い波長の光を顔全体に照射することで、シミやくすみ、酒さ(赤ら顔)、小じわ、毛穴の開きなどを同時に治療する美肌施術です。
シミやくすみを目立たなくするだけでなく、真皮層に働きかけてコラーゲンの生成を促す効果もあり、肌のキメや弾力性の改善にも効果が期待できます。
刺激の少ない施術であり、繰り返し行うことでより効果を実感いただけますので、定期的なメンテナンスとして受けていただくケースも増えております。
また、当院で導入しているステラM22は複数の波長フィルタがあり、お悩みに応じてフィルタを選択しております。
赤みに有効なフィルタを選択することでより高い効果が期待できます。

フォトフェイシャル

アゼライン酸外用

アゼライン酸は、海外では昔からニキビの治療薬として使用されている成分です。
海外では医療用医薬品として使用されている場合もありますが、日本では化粧品含有成分という位置づけになっているため保険適用外です。
主な作用は、皮脂分泌の抑制や抗炎症作用、抗菌活性や美白効果(メラニン産生の抑制)があります。
アゼライン酸は天然由来の成分であり安全性が高く長期に使用することが可能であるため、慢性に経過する酒さのコントロールに使用しやすいと考えます。また妊娠中でも使用可能です。